Glaucoma
緑内障
緑内障とは
閉塞(へいそく)隅角緑内障と開放隅角緑内障があります。頭痛や目の奥の痛みを感じることもあります。
角膜と虹彩との境目にある隅角が虹彩でふさがれ、房水と呼ばれる目の中を流れる水が目の外へ流れなくなって眼球内にたまり、目の中の圧力が上昇する病気が閉塞(へいそく)隅角緑内障です。
排出に問題はないはずなのに、眼圧が正常値よりやや高い場合、開放隅角緑内障となります。
長い間に視野障害が起き、放置しておくと失明してしまいます。
主な診療設備
眼底三次元画像解析検査機器
DRI OCT Triton(トプコン社)
第三世代のOCTと呼ばれているSwept
Source(波長掃引光源)テクノロジーを搭載したOCTです。
OCTとカラー眼底撮影、FA(蛍光眼底血管造影眼底撮影)、FAF(自発蛍光眼底撮影)を組み合わせた複合機になります。
緑内障や加齢黄斑変性等の眼底疾患の診断・治療効果の判定において、従来のOCTよりもさらに役立てることができます。
静的自動視野計
オクトパス900(アールイーメディカル社)
目の見える範囲とその感度を測定する装置です。短時間で測定ができます。
眼疾患には、視神経症、緑内障、網膜色素変性症、下垂体腫瘍が含まれます。
主な治療法
緑内障に対し、効果があると確認されている治療は眼圧を下げることです。これは正常眼圧緑内障でも同じです。当院での主な治療法としては、点眼治療とSLT(選択的レーザー繊維柱帯形成術)があり、これらの方法で眼圧を下げることにより病気の進行を遅らせることができます。
点眼治療
当院ではおよそ30種類の緑内障・高眼圧症治療薬を取り扱っております。
大きく分けると、下記の8種類に分類され、緑内障の種類などによって選択されます。
緑内障の進行具合によっては、複数の種類の点眼薬を併用することもあり、加えて、眼圧を下げる効果のある飲み薬を服用することもあります。
緑内障の点眼治療は、長期に渡るため、継続的な使用が不可欠です。
点眼薬の種類によっては、作用機序、1日の点眼回数、および副作用がそれぞれ異なりますので、診察にて1人1人にあった点眼薬を選択して治療を進めていきます。
・当院で取り扱っている緑内障・高眼圧治療薬
- ① プロスタグランジン(PG)関連薬
- ② 交感神経β遮断薬
- ③ 炭酸脱水酵素阻害薬(内服薬、注射剤を含む)
- ④ 交感神経α2受容体刺激薬(α2刺激薬)
- ⑤ Rhoキナーゼ阻害薬(ROCK阻害薬)
- ⑥ 副交感神経刺激薬
- ⑦ α1受容体遮断薬
- ⑧ EP2受容体作動薬
その他
SLT(選択的レーザー繊維柱帯形成術)
この治療は、特殊なレーザーを眼内の水(房水)の流出路である繊維柱帯に当てます。
繊維柱帯にレーザーを当てることにより、繊維柱帯の細胞を再構築し房水排出機能を上げて眼圧を下げます。外来にて点眼麻酔を行い、レーザーを照射します。
眼内構造に損傷を与えず、副作用もほとんどなく、治療後もすぐに通常の日常生活が可能です。
下記の方が対象になります
- ① 眼圧が高い方
- ② 正常眼圧緑内障でも眼圧を下げる必要がある方
- ③ 開放隅角緑内障の方(閉塞隅角緑内障の方は適応外です)
- ④ 緑内障の点眼による副作用で困っている方
- ⑤ 妊娠・授乳中で点眼治療ができない方
- ⑥ 仕事などが不規則なため複数の点眼治療が困難な方
- ⑦ 点眼を忘れてしまうことが多い方、毎日点眼することがつらい方
SLT治療と点眼治療の比較
SLT治療 |
点眼治療 |
|
治療効果 | 1回のレーザー治療で 約8割の方で眼圧が下がる |
点眼薬は多種あり 症状によっては複数の点眼薬を組み合わせて治療を行う |
副作用 | ・レーザー治療を行って数日間は結膜充血、かすみ、眼重圧感などを感じることがあるが1週間程度で治まる ・まれに眼圧が上がる場合がある |
・長期に点眼を使用していると結膜充血、アレルギー結膜炎、角膜上皮障害、眼瞼炎等が出現することもある ・眼瞼がくぼむ、クマができる、まつ毛が伸びることもある |
費用 | レーザー治療代 ・3割負担で片眼約30,000円+通院診療代 ・1割負担で片眼約10,000円+通院診療代 |
点眼薬剤代 ・2年間で36,000~72,000円+通院診療代 |
長所 | ・点眼のわずらわしさなし ・1回の治療で平均3年の効果が期待できる ・点眼による副作用がある方でも治療できる |
・気軽に始められる ・1回の診療代が低額 ・毎日行うことで効果が持続する |
短所 | ・1回の処置代が高額 ・手術なので怖いというイメージがある |
・毎日の点眼がわずらわしい ・点眼薬による副作用に留意する必要がある |